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コルクの知識

コルクとは

コルクとは

コルクとは、コルク樫から剥いだ樹皮のことです。コルクは地中海沿岸に成育するコルク樫の樹皮であり、その大半はポルトガルで収穫されています。ポルトガルの気候がコルクの成育に理想の環境となるため、ポルトガル産のコルクが最高品質と言われております。
コルク樫が成木となる樹齢20年から寿命となる樹齢200~300年までの間、伐採することなく9年周期で再生されるコルク樹皮を収穫します。成木となり初めて収穫するコルクはバージンコルクと表されており、2度目の収穫がセカンドコルク、3度目以降に収穫されるコルクは良質なコルクとしてアマディアコルクと表されます。バージンコルクとセカンドコルクは樹皮の凹凸が激しく硬いため、ワイン栓として使用できず、粉砕して壁材や床材等の建材として利用されています。
3度目以降に収穫されたアマディアコルクは最も需要の高いワイン栓を打ち抜き、残りの屑も廃棄することなく副産物の生産に用いられています。

コルクは環境に優しい素材

コルクは環境に優しい素材

コルクは、ポルトガルを主産地とする地中海沿岸に成育する、ブナ科コナラ属のコルク樫の樹皮です。
樹齢20年で幹の直径が20cmになり、最初の剥皮を行います。以降9年周期で皮を剥いで加工したものはさまざまな用途に使用され、樹齢250年くらいまで伐採することなく収穫が可能です。
コルクの森は南欧の砂漠化を防止し、イベリア山猫のような希少種を含む動植物の生態を支え、コルク樫の実であるドングリはイベリコ豚の飼料にもなります。
また、コルクの森は温暖化防止にも大きく貢献しています。皮剥ぎされたコルク樹は二酸化炭素を通常の3~5倍も吸収します。ポルトガルのコルクの森だけで年480万トン、地中海全域では1,400万トンもの二酸化炭素を吸収すると言われています。
木を伐採しない、素材を持て余すことなく使用する、地球温暖化防止の防止に役立つ等がコルクは環境に優しい素材と言われるゆえんです。

当社環境への取り組み

当社環境への取り組み

木から剥がされたコルクはワイン栓や建材等各種天然製品に利用されるのですが、当社では、その副産物を砕いたコルク粒をポルトガルから輸入し、特殊合成樹脂をバインダーにしてコルクシート等を成型したり、ゴムと混合したり(ハイカーコルク)して、さまざまな用途の製品を製造しております。
近年ではレストランやホテルで使用済みのコルク栓を回収し、洗浄、選別を行い、再生コルクの製品化を行っております。

コルクの歴史

コルクの歴史

コルクは、紀元前550年頃において中国では既に知られていたと言われています。
古代ギリシャ・ローマ時代には、既に数種類のコルク製の道具(漁網の浮き・甕の蓋・履物)として使用されており、コルク生産国の建物では数世紀にわたって住居の床や屋根などにコルクの板が利用されていました。
コルクの需要は、16世紀のガラス瓶の出現により、17世紀に入って急激に増加しました。
そして1760年のスペインでは、コルク量産化のためにコルク樹の育成栽培が始められました。
日本では、江戸時代末期、諸外国から持ち込まれた洋酒類に使われていたコルク栓を再製し、目薬瓶の栓として利用したのがコルク加工のはじまりと言われています。

明治初期になると競馬が盛んになり、西洋から良質な馬を輸入する際の蹄の保護として使われていた大量のコルクを利用することで振興していきました。
創業当初は諸外国から輸入されたコルク栓を加工し、航空機燃料タンクのフロートや兵隊の水筒の栓等に使用しておりました。
以降はビール王冠用コルクいわゆるコルクジスクでの使用や、ガラス容器の発達に伴いコルク栓の開発及び製造を始めていきました。

コルクの製造工程

コルクの製造工程

当社では最高品質のポルトガル産コルクを輸入し、コルク粒やコルクシート等のコルク製品の製造販売を行っています。
コルク自体の比重が0.1~0.2と非常に軽量素材のため、輸入時はコンパクトにする事を目的としてコルク粒同士が圧縮された状態になります。当社は圧縮されたコルク粒を専用設備で元の状態に戻します。
粒自体の大きさが不均等のため、専用設備でコルク粒の大きさを均一に揃えます。大きさを揃えたコルク粒にも質の悪いコルクや不純物が混入しておりますので、専用設備で質の悪いコルクと不純物を除去し、良質なコルクのみを選別します。
当社主製品のコルクシートは、選別されたコルク粒と独自配合のバインダーを混ぜ合わせて、圧縮成型する事でコルクシートの母材となるコルクのブロックを製作します。
コルクブロックからお客様のご希望に合わせた厚みにスライス作業を行う事でシート化しております。
バインダーを合成ゴムにすることで、当社のもう1つの主製品であるハイカーコルクを製造しています。
ハイカーコルクも製作方法は大きく変わらず、母材であるブロック(厚みは27mm)からスライス作業を行い、ハイカーコルクシートを製造しております。

当社コルク製品のこだわり

当社コルク製品のこだわり

  • 配合はすべて独自配合ですので、食品対応品、高強度、着色コルク等、用途に合わせたコルク製品の製作を可能にしています。
  • コルクシートの母材が厚み150mmのブロック材ですので、厚み0.8mmの薄材から厚み50mmを超えるコルクシートの製作が可能です。
  • コルク粒の大きさを均一にしておりますので、粒同士のバラツキが少なく、外観部品にも適しています。
  • 海外製のコルクシートとは異なり、水分の少ないバインダーを使用することで、コルクシートの含水率を下げ、カビの発生や歪み等を軽減しています。
  • 海外製コルクシートと異なり、仕上げの研磨作業がないため、コルクシートの表面にコルク屑がつくことなく、きれいに仕上げています。
  • ハイカーコルクの合成ゴムも当社独自配合品ですので、あらゆる用途に合わせたハイカーコルクをご案内させていただきます。

コルクの科学

当社コルク製品のこだわり

当社コルク製品のこだわり

コルクの構造は、左図のように6角柱の細胞がレンガを積むように交互に重なっており、低級脂肪酸を結合材とした細胞質でできています。1立法センチメートルあたり2,000万~4,000万個の小さな細胞からなり、細胞のなかは空気とほとんど同じ気体で満たされています。そのためコルクは、

  • 軽くて弾力性がある。
  • 断熱・防音性に優れている。
  • 摩擦係数が高い。
  • 液体に対して疎水性に優れている。
  • 質感・感触がよい。
  • 安全性が高い。
  • 腐りにくい。

などの特徴があり、それを活かしてさまざまな分野で利用されています。

コルクのQ&A

質問をクリックすると、回答がご覧になれます。

当社のコルク製品は世界で最高品質と言われているポルトガル産のコルクを100%使用しております。
良質なコルクは樹皮の中心部となりますので、樹皮が厚くならないと収穫ができません。
地中海沿岸で吹く偏西風(熱風)からコルクが身を守ろうと樹皮を厚くすることで、良質なコルクを収穫できます。
四季がある日本等では樹皮が厚くなりませんので、良質なコルクの収穫ができません。

スペイン等の地中海沿岸部や中国等でもコルクは生産されています。
ポルトガル産のコルクが最高品質となるため、当社ではポルトガル産のコルクのみを厳選して使用しています。

良質なコルクは主に比重の軽いコルクと言われております。
水分を多く含んだコルクや収穫された樹皮の外側や最内の樹皮は素材としては堅く、重いです。
当社ではポルトガルから輸入したコルクから比重の軽いコルクを選別し、コルクシート等に使用しております。
コルクシートを製造する際に、不純物や質の悪いコルクを取り除くことで、均整のとれた品質の高いコルクシートを製品化しています。

コルクはワインやウィスキー、焼酎等のコルク栓をはじめ、コルクの玩具や床材、コルクコースター等の生活雑貨から重電設備のガスケットやロケットの断熱材等、幅広い分野に使用されております。
コルクは天然素材でありながら、合成製品に劣らない特性を持ち合わせた素材です。

当社のコルク粒やコルクシート等に使用するコルクは日本国内の工場で徹底管理し、厳選使用しています。
まず輸入されたコルクは、初めに水分量をチェックし水分量が基準値以上のコルクは除外します。
コルク粒のなかには不純物や質の悪いコルクが混入している虞がありますので、エアーで選別を行います。
良質なコルクは比重が軽いため、不純物や質の悪いコルクは下に沈み、良質なコルクのみを選別します。
不純物等を除去したコルクを専用の振るい設備に通し、大きさごとに均一にし、コルク粒とコルクシート等を生産しています。

コルクは木材の一種ですので、直接火をつければ燃えてしまいます。
間接的な熱であれば、約80℃~100℃程度で炭化が始まりますが、断熱効果は継続します。

コルクは天然素材ですので、有害物質の含有はありません。
コルクシート等に使用する接着剤も、環境対応できる素材を吟味して使用しております。

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