人間の言葉を喋ることができない犬や猫をはじめとしたどうぶつたちとの暮らしは日々観察と発見の連続です。小さな異変から結果的に日常生活に支障をきたすような疾患が診断されてしまうケースも少なくありません。
今回焦点を当てるヘルニアは室内飼いが主流となった現代において犬種に関わらず様々な要因から患ってしまうことがあると言われています。ヘルニアとはそもそもどんな疾患なのか、その主な原因や予防策、そしてヘルニア対策の床材として注目を集めているコルクマットについてご紹介します。
目次
1. どうぶつもヘルニアになるって本当?
2. 椎間板ヘルニアの主な原因
3. 椎間板ヘルニアのサインと予防策
4. 主な治療法
5. 床滑り対策│コルクマットの特徴
6. 日本品質│オールコルクマットの特徴
7. まとめ
監修獣医師
おおい動物病院 片川優子獣医師 |
麻布大学大学院獣医学研究科博士課程修了。岐阜市内の一般動物病院勤務、岐阜大学附属動物病院内科研修生を経て、愛知県一宮市におおい動物病院を開業。日本獣医皮膚科学会、日本獣医動物行動研究会、獣医アトピー・アレルギー・免疫学会所属。 <おおい動物病院> 監修日:2024年9月18日 |
どうぶつもヘルニアになるって本当?
ヘルニアは内臓や軟骨が正しい位置から飛び出した状態を指す言葉です。その結果として、神経などが圧迫・刺激されて、痛みやふらつき、麻痺などの症状を引き起こし日常生活に支障をすことがあります。
ヘルニアと聞くと人間の症状をイメージする方も多いと思いますが、実は犬や猫をはじめとしたどうぶつも足腰や首への負担によりヘルニアになってしまうことがあります。
ヘルニアには生まれつき体内に隙間などがある先天性のものから日常生活の中で引き起こされた後天性のものなど複数の種類がありますが、特に背骨の腰部の稚骨と稚骨のクッションの役割を果たしている軟骨・椎間板が何らかの原因により異常が発生し飛び出してしまう「椎間板ヘルニア」が犬のヘルニアの中では最も多いと言われています。
次の項目では椎間板ヘルニアについて原因や予防についてご説明します。
椎間板ヘルニアの主な原因
椎間板ヘルニアは胴長短足な軟骨異栄養犬種に多く見られダックスフンドやコーギー、シーズー、ペキニーズの飼い主さんの中では認知度が高いですが、どの犬種あるいは猫種にも起こるうる疾患のため、うちの子には関係ないと思わずに日々の生活からしっかり予防することが大切です。
椎間板ヘルニアの主な原因は下記の通りです。
① フローリングの床滑り
現在日本住宅において最もポピュラーな床材であるフローリングですが、犬や猫にとっては滑りやすく、日々走ったり跳ねたりした際足元がツルツルと滑ってしまうことで足腰に負担が蓄積されやすいと言われています。
② 肥満
適正体重よりも体重が増えることで足腰に負担がかかり、炎症を引き起こしてしまうことがあります。
③ 激しい運動
高いところ(ソファや机、棚など)からの飛び降りや飛び乗りといった衝撃を伴う激しい運動により足腰に大きな負荷がかかることがあります。
椎間板ヘルニアのサインと予防策
ヘルニアは早期発見により進行を遅らせる治療をすることができますが、犬や猫は痛みを言葉で訴えることができないため私たちがその異変にいち早く気付いてあげることが大切です。ヘルニアの代表的なサインは下記の通りです。
・歩くときに前肢や後肢を床に擦って歩いている
・いつもより元気がない、食欲不振
・歩きたがらない、じっとしている
・段差を前に躊躇する
・急にキャンキャンと鳴き出すことがある
・抱っこしようとすると鳴く
・足をかばうような動きをしている
・背中を丸めている、うずくまる
このような様子が見られたらすぐにお近くの動物病院やかかりつけの獣医さんに相談しましょう。
またヘルニアを患ってしまう前に普段の暮らしからできるヘルニア予防策をご紹介します。
① 滑りにくい床にする
フローリングの上で暮らしているとツルツルと滑ることで足腰に負担がかかるため、室内飼いの場合は犬や猫がよく歩く場所にカーペットやマットを敷く、または滑りにくい床材に替えることで足腰の負担軽減に繋がります。
② 体調管理をする
⇒食べることが大好きで太りやすい子ほどヘルニアのリスクが高くなる傾向にあります。適正体重を維持できるよう栄養の撮れた食事と適度な運動を心掛けることが大切です。
③ 無理な姿勢をとらせない
⇒丸まらないと入れないような狭い場所に入れる、二本足で立たせる、おしりを持たずに抱き上げる等の動作は犬や猫の体に大きな負担がかかります。無理な姿勢をとらせないよう配慮しましょう。
④ 高いところから飛び降りさせない
⇒ソファや棚など高いところから飛び降りた際の衝撃は足腰に負担がかかるため、そうした習性がある場合は自分で乗り降りしないよう言い聞かせる、または段差やスロープなど設置し飛び降りた際の衝撃を小さくするなどが効果的です。
主な治療法
ヘルニアの治療方法は、その重症度によって異なります。軽度の場合は、安静にして経過観察することが多いですが、重度の場合は手術が必要になることもあります。
最も一般的な治療法は以下の通りです。
① 安静保持
活動を制限し安静に過ごせる環境をつくることで症状の悪化を防ぎます。コルクマットなど摩擦性が高く滑りにくい床材を導入し床滑りを防ぐことも有効です。
② 薬物治療
炎症を抑えるためのステロイド剤や、痛みを和らげるための鎮痛剤が処方されることがあります。
③ 手術
ヘルニアが重度である場合、または保存的治療で改善が見られない場合には、手術による治療が行われることがあります。これには、圧迫された神経を解放し、脊椎の安定を図る手術が含まれます。
床滑り対策│コルクマットの特徴
コルクマットとはコルクでできたジョイント式のマットことで、フローリングの上に敷き詰めてご使用いただくアイテムです。コルクは天然の発砲スチロールとも呼ばれ摩擦性や断熱性など天然素材ならではの様々な性質をもっています。創業100年の老舗コルクメーカーの視点からその特徴をご説明します。
① 摩擦性に富んでいる
コルクは摩擦性に富んでいるという性質をもっているため裏面を両面テープや滑り止めの素材を使用しなくてもフローリングの上に直接敷き詰めるだけでズレてしまうことが殆どございません。大型犬と暮らしているご家庭でもお使いいただけます。
② 天然素材
コルクは原材料に木材を使用した天然素材で、木の風合いをもった見た目とさらさらとした天然素材ならではの質感が特徴です。コルクはお酒の栓としても使用されていて安全性が高く大切なご家族である犬や猫などと暮らしているご家庭でも安心してお使いいただけます。
③ 賃貸でも安心
現在賃貸で愛犬や愛猫と暮らしているご家庭も多くいらっしゃるかと思いますが、基本的に現状復帰が求められるため床材の入れ替えなど大掛かりな施工はできないことが多いです。
コルクマットはフローリングの上に直接敷き詰めるため設置も撤去も簡単に行えます。また部屋のサイズに合わせて組み合わせができるため愛犬や愛猫がよく通る場所にだけ部分的に敷き詰めることも可能です。
*外周部をギザギザ状の状態で敷き詰めているとジョイントが衝撃で取れてしまうことがございますので誤食がないよう十分にご注意ください。また外周部を一直線状にするサイドパーツのご使用もおすすめです。
日本品質│オールコルクマットの特徴
創業100年以上のコルクメーカーが犬猫目線で開発した日本製コルクマット「オールコルクマット」。
スポンジを使わず最高品質のコルクを贅沢に使用したコルクマットです。
一般的なコルクマットにはない特徴をご紹介します。
① 裏表がない
オールコルクマットは100%コルクで出来たコルクマットのため裏表の両面使いが可能です。仮に表面がくすんでしまってもひっくり返すことで綺麗な面でご使用できより長くご愛用いただけます。
※構造上1ピースのみひっくり返すことはできませんので、敷いている全面をひっくり返してください。
② 沈み込みがない
スポンジを使用せず全てコルクで出来ているため軟弱な沈み込みがありません。
低反発でしっかりとした踏み心地が特徴で変にふかふかとした感触がないことで歩行や踏ん張りをサポートし、使用の過程でへたってしまう心配もありません。
③ 裏面を固定しなくてもずれにくい
コルクは摩擦性に富んでいるという性質をもっているため裏面を両面テープや滑り止めの素材を使用しなくてもフローリングの上に直接敷き詰めるだけでズレてしまうことが殆どございません。大型犬と暮らしているご家庭でもお使いいただけます。
④ お手入れ簡単
コルクマットはフラットな構造で掃除機掛けが可能です。ラグのように毛が絡まってしまうことがないため、表面のごみを簡単に取り除くことが可能です。
コルクは疎水性(水が染み込むまでに時間がかかる性質)がありますので、粗相があった際は硬く絞った雑巾ですみやかに拭き取りいただくことを推奨しています。
また全パーツ1枚から販売しておりますので、汚れたパーツのみお取替えいただくことも可能です。
*コルクマットは天然素材のため水洗いをすると乾いた際に元のサイズよりも縮んでしまうことがあります。普段のお手入れは掃除機掛けや硬く絞った雑巾やアルコールシートで表面を拭いていただくことを推奨しています。
まとめ
犬や猫など人間と暮らすどうぶつたちは日常の動作や仕草を通して私たちにサインを送ってくれています。そうした小さなサインを見逃さないよう日々愛犬や愛猫の様子を観察し、少しでも違和感があればすぐにお近くの動物病院を受診するようにしましょう。
また椎間板ヘルニアは日常生活における足腰へのダメージの積み重ねによって引き起こされます。特に室内で暮らしている場合は毎日歩く床を滑りにくくするだけで負担軽減に繋がります。愛犬や愛猫が過ごしやすい環境づくりから始めてみてはいかがでしょうか。
それでは今日はこのへんで。 また次回更新で会いましょう!